キーボードの話

はじめに

この記事は苫小牧高専Advent Calendar 2017の記事です。
最近キーボードにハマっていて、今回はErgoDoxという、左右分離のエルゴノミックキーボードを作った記事を書こうと思っていたけど残念ながらPCBはまだポーランドワルシャワにあると思われるので、当初の予定を変更してお送りしたいと思います。

キーボードってなんだ?

突然ですけど、みなさんはどんなキーボードを使っていますか?
ゲームをする方はもしかしたら、Razerなどのゲーミングキーボードを使ってたり、物書きさんとかプログラマーさんだったら東プレのRealForceなんかを使ってたりするんじゃないでしょうか?
今回は案外、パソコンを使う上で必須だけどそこまで意識していないキーボードについてスイッチ部分の点から主観的に浅く掘り下げて行こうと思います

まずはキーボードの種類について

世の中には大別して大体3つのキーボードがあります。
1つ目はRealForceのような静電容量無接点方式
2つ目はFILCOのMajestouchなどのメカニカルキースイッチ方式
3つ目はノートパソコンで使われるようなメンブレン方式
これらが大体普通に生活していて触れられる範囲だと思います(多分)

静電容量無接点方式について

まず一つ目に挙げた静電容量無接点方式というのは、静電容量の変化でスイッチの入力を検知する方法です。
何言ってんだみたいな話ですが、スマホの画面等と同様に触れるとそこに物理的なスイッチが無くても押したことがわかるようになっているということです。
この方式のメリットは物理的なスイッチを利用しないため、比較的耐久性が高い事が挙げられます。
そのためにOEMにも用いられることもあり、セブン銀行のATMのキーボードに東プレの変荷重の静電容量無接点方式のキーが使われていたりもします。 (どっかにインタビュー記事が上がってた気がしたけど忘れた)
なので、実は案外気づかないうちに触れていたりするかもしれませんね。

メカニカルキースイッチ方式について

わぁい!メカニカルキースイッチ方式!あかり、メカニカルキースイッチ方式大好き!
ということでメカニカルキースイッチ方式です。
メカニカルキースイッチ方式と言うのは、スイッチの中にいわゆる軸と接点があり、軸がそこを押すとキー入力を検知する方式です。
有名なところで言うと独Cherry社のCherry MXスイッチ、一昔前だとアルプス電気のALPSスイッチ等が有名だと思います。
このスイッチのメリットも同様に耐久性が高い点が挙げられます。
また、個人的にはCherry MXスイッチが豊富なライナップを取り揃えている点や、壊れたときにDIYで交換するのが容易な点がいいと思います。
最近ではメカニカルキースイッチの特許が切れたため、中国などからKailhやGateronといったメーカの安価なクローンスイッチができたため、従来と比べて半額以下でメカニカルキーボードを購入できますのでちょっとお高めキーボードの登竜門としてもいいかもしれません。

メンブレン方式について

メンブレン方式は多分キーボードと聞いて一番最初に思い浮かぶキーボードに採用されているキースイッチ方式だと思います。
このメンブレン方式は、ラバーカップと呼ばれるドーム状のものがメンブレンスイッチの上に乗っており、キーを押すことによって、ラバーカップの下にあるメンブレンスイッチが押されるような構造となっています。 この方式のメリットは小型化が容易な点が挙げられます。そのためノートパソコンやタブレット等の持ち運び用の折りたたみ式のキーボードによく用いられているわけです。
一般に安いキーボードはおおよそこの方式が用いられているわけなのですが、安いキーボードは大体薄い樹脂フレームと基盤とキートップで構成されているために剛性が低くあまり感触がよくありません。その為メンブレンキーボードというだけで嫌われたりもすることもあるとは思いますが、中にステンレスプレートを入れるなどしっかりとした剛性が確保されれば結構良いものです。(HHKB Lite 2とかね)

じゃ、どれ選べばいいの?

ここまでで挙げた3つのキースイッチ方式はそれぞれキーの感触が違います。また、同様のキースイッチ方式でもメーカーや種類の違いに寄って全く違った感触になります。
例えばメカニカルキースイッチであるところのCherry系統のスイッチではクリック感があり、キーを押したときにカチッという音がするものや、音の少ない静かなものもありますし、中に入っているバネの違いによって重い感触のものや軽い感触のもの、おした時の感触がスッとしているものなど様々な違いがあります。
その為、なかなかこの人はこれだ!といったものは無く自分に合うものを探していくこととなると思いますし、ソレもひとつの楽しみ方でもあると思います。
といってもじゃあキーボード選ぶときにひたすら触って確かめるというのも中々骨の折れることなので、自分が実際にキーボード見るときに着目するポイントを幾つか挙げていきたいと思います。

キーストローク

キーストロークはキーを押し下げたときに底までの距離です。浅いと長い時間打っていると指が疲れたりするので、ある程度長い距離のものが好まれると思います。

アクチュエーションポイント

キーを押し下げたときにキー入力として検知される境界までの距離です。これが短ければ短いほどキーを浅く押した時点で反応し、素早いキー反応が期待できます。

キー荷重

キーを押し下げるために必要な重量のことです。この荷重が軽ければ軽いほど軽い力でキーを押すことができます。一方で軽すぎると誤入力してしまう、指が疲れやすいと言った点が挙げられます。メカニカルキースイッチ等でおおよそ標準的な荷重と呼ばれるのは45g前後が標準的です。

キーの感触

静電容量無接点方式ではメンブレンでの感触に高級感をもたせたようなしっとりとした感触のものなどがあります。 また、メカニカルキースイッチ方式では軸と呼ばれるスライダー部分の形状によってキーの感触が異なってきます。Tactileと呼ばれるキーが一定の荷重を掛けると一気に押し下がる感触を感じられるもの、Linearと呼ばれる一定の荷重で変化なく押し下げられるもの、Tactile Clickeyと呼ばれるキーを押し下げた時にカチっという音がものなどがあります。メカニカルキースイッチだと実際に荷重変化のグラフがメーカに寄って公表されているのでそれを見ると良いかもしれません。

また、キースイッチ以外の観点としてキー配列も重要です。最初に使ったキー配列はおそらく大抵の方がJIS配列と呼ばれる日本語キーボード向けのキー配列だと思いますが、この他にも近年では全く見なくなった親指シフト配列と呼ばれる親指の来る部分にシフトキーがあるものやエルゴノミック配列と呼ばれる手の形に合うように設計された配列、英語キーボードでもちいられるUS配列といった物があります。
これらの点を自分が利用する目的や利用する場所を考えながらキーボードを選ぶことも楽しいかもしれません。

さいごに

ここまでキーボードの話をダラダラといろいろ話してきましたがパソコンを利用する上で最も触れているものはディスプレイと椅子の次にキーボードだと思いますので、今までキーボードとかどうでもいいわ~~~と思っていた方もこの機会に是非キーボードについて少し考えてみていろいろなキーボードを試してみてください!
また、市販のものだけでなく海外ではDIYキーボード、自作キーボードと言った物もあり、自分でカスタマイズしていく楽しみもありますのでぜひぜひそのあたりも掘り下げていくと楽しいかもしれませんよ?
明日はぱくとま(@pakutoma)さんです。
それでは!